この中巻ではオンラインプログラムを書くための様々な事柄を学んできまし た。そしてこの章で見てきたようにデータ収集システムは非常に大規模なソフ トウエアシステムであることが解かりました。またデータ収集システムは、そ のパフォーマンスが実験の統計精度や信頼性を決める非常に重要な実験装置の 一部であることも理解できたと思います。そう言う意味で、一からデータ収集 システムを構築していこうというのはあるいみではばがげているかも知れませ ん。例えて言えば計算機をTTL-ICで作っていくようなもので、作るだけで大変 なうえに出来上がっても能力は全く頼りにならないものです。ですが、システ ムを理解するにはちゃちなものでも作っては壊し、作っては壊してシステムに 慣れていくことです。自分でも作ったことのあるものは、その経験から、その 限界がどこにあるかが解かるという意味で、使い方もうまくなります。そうい う観点から一度はシステム作りに挑戦してみてください。