複数の相手にメイルを送るにはどうしたらよいでしょうか。もっとも単純には 5.4.1に書いた宛先をたくさん並べることです。
% Mail iwashi sanma kabocha@yaoya.kek.jp
この例では同じホスト上のiwashiさん、sanmaさんとyaoyaにいるkabochaさん に送られます。毎回同じ人達に送りたいときや人数が多くなるととても面倒で す。そこで宛先リストを作りたくなるのは当然ですね。今までの知識をもとに 強引にやるには
% cat mylist iwashi@sakanaya.kek.jp sanma@sakanaya.kek.jp kabocha@yaoya.kek.jp % Mail `cat mylist` < message.txt
のように、mylistというファイルに宛先を書いておいてコマンド行のサブシェ ル``で展開してやれば宛先リストとして使えます。でもあまりスマートとは言 えませんね。そのための仕組みはちゃんとMailコマンドに用意されています。 aliasコマンドです。Mailコマンドが呼び出されるときホームディレクトリの. mailrcを先に実行します。そこで
% cat ~/.mailrc alias mylist iwashi@sakanaya.kek.jp \ sanma@sakanaya.kek.jp \ kabocha@yaoya.kek.jp % Mail mylist < message.txt
このほうがずっとスマートですね。このようにして自分の関係者の別名を. mailrcの中で定義しておくと色々便利です。定義されている別名はMailコマン ドのなかで、aliasとやると表示してくれます。
.mailrcは個人用のメイリングリストを管理するのには便利ですが、例えば実 験グループなど複数の人間で共通に使いたいメイリングリストもあります。ワー クステーションの管理者グループなどもメイリングリストにしてもらいたいも のです。managerあてにメイルをだすとちゃんと担当者に届くように。このよ うに共通の宛先リストを管理する仕組みも用意されています。/etc/aliasesと いうファイルを読んでみましょう。どのようなaliasが定義されているかわか ります。共通のメイリングリストはシステム管理者にお願いして作ってもらわ なければなりません。相談してみてください。
共通のメイリングリストの便利な点はその宛先にメイルを送れば自動的に関係 者に送られることです。使い道は色々考えられます。例えば共通の話題で会議 を開きましょう。集まって議論をする替わりにそのリストにメイルを送ります。 そのメイルは全員に配られます。それを読んで別の人がまた返事を返します。 するとその返事も全員に配られます。このようにして運用されている会議がい くつもあります。共同利用実験のコラボレーションでの議論などにも応用でき ると思いませんか。
このようなメイリングリストの中に非常にいいものがあります。東大理学部の 白橋さんの運用しているリストでunix-sig@phys.s.u-tokyo.ac.jpというもの です。sigはSpecial Interrest Groupの略でunix-sigはUNIXに興味のある人の 集まりとでもいえばよいでしょうか。物理関係者を対象としています。本書の 読者にとっては非常に興味がそそられます。現在このunix-sigは自動登録で運 用されています。unix-sig-request@phys.s.u-tokyo.ac .jpにSUBSCRIBEとだ け書いたメイルを送るとリストに加えてもらえます。やめるときは同じように UNSUBSCRIBEと送ります。Subject: にhelpと書いたメイルをこの unix-sig-reque stに送ると案内が送られてきます。まずこれを試してみてく ださい。ここで一言。このようなアクティビティはあくまでもお互いの善意を 信じて運用されています。参加をする人はそれを大事に大事に育てていく気持 ちで参加して欲しいものです。