ファイルがたくさんできだすと時々バックアップを取っておきたくなると思い ます。ワークステーションがテープドライブを持っているときはテープに落と しますが、UNIXではテープは標準のファイルシステムの範疇に入りません。そ れゆえcpではコピーできません。専用のコマンドを使う必要があります。ファ イルシステム全体をバックアップするときはdumpを使いますが、個人のファイ ルの管理のためにはtarを使うのがよいでしょう。tap e archiverの意味です。 tarではテープの替わりに通常のファイルをバックアップセットに設定できま す。例えば自分のたくさんのファイルを一つのバックアップセットにしてから (さらに圧縮してから)よその機械にネットワーク経由で転送するなどの使い 道があります。
% tar cvf /dev/rmt0 .
この場合はrmt0というテープドライブのテープに現在のディレクトリのファイ ルをセーブします。cはアーカイブファイルの生成、vは冗長モード、fはアー カイブファイル指定の意味があります。テープの中身を知りたいときは
% tar tvf /dev/rmt0
この場合のtは内容表示をしめします。またファイルをもとに戻すには
% tar xvf /dev/rmt0
/dev/rmt0はテープです。tarの場合通常テープの初期化やマウントなどの手続 きは必要ありません。直接書き始めます。アーカイブファイルとして通常のファ イルを指定しても構いません。例えば次の例では
% tar cvf mytext.tar *.txt
現在のディレクトリにあるすべての.txtファイルがmytext.tarというアーカイ ブファイルに保存されました。さらに
% compress mytext.tar
とやりますとmytext.tarが圧縮されてmytext.tar.Zというファイルになります。 よそに持っていったりするときにはこの形式でもっていくのがもっともコンパ クトになります。もとに戻すには
% uncompress mytext.tar.Z
これでもとのmytext.tarになりました。