VMSでは論理名(ロジカルネーム)を使ってファイルやディレクトリを参照する ことがよくあります。論理名の示す内容を変えることによって同じプログラム から別のファイルを処理できるようになります。環境などに依存する一連のファ イルの中から現在の状況にあったファイルを選んで使う場合など論理名を与え ておいて論理名で参照したほうが便利です。プログラムを書き直したり、デー タとして与えたりする必要がないからです。UNIXで同様のことをするにはシン ボリックリンクという方法を使います。
シンボリックリンクはファイルとして作られます。lnというコマンドを使いま す。
% ln -s run124.dat input.dat % ls -l input.dat lrwxrwxrwx iwashi 10 Sep 9 10:23 input.dat -> run124.dat % ls -F input.dat input.dat@ %
一行目でシンボリックリンクを張りました。-sは必ず付けるようにしてくださ い。ないとハードリンクと言って本物のファイルと同じ扱いになってしまいま す。リンクが張られたかどうかをlsコマンドで確かめています。-Fオプション で@がついたものがシンボリックリンクです。run124.datというファイルは実 在しなくてもリンクは張れます。
リンクを終わるときはrmを使います。リンクもファイルですからcpやmvもでき ます。注意すべきことはcpの時はリンクが指している先のファイルがコピーさ れますが、mvの時はリンクそのものが改名されます。
シンボリックリンクはUNIXのシステムファイルでは多用されています。例えば ls -Fで/ usr/libなどを見てみましょう。@のついたファイルがたくさんあり ます。